なあ、神楽


それでも欲しがってくれるなら

一緒に明日を越えていこう




毎日3






夜兎と人間

そういえば俺とお前は同じようで違うらしい

誰がそう決めるんだ?

俺と神楽


だって普通に飯も食うし(食う量は人それぞれだろう)
普通にクソして寝たりとか?
外見なんかはそこらの女よりきれいだ


それなのに






銀ちゃんの声を聞いただけで涙がこぼれそうになる

こんなに愛しい

愛しくて







「銀ちゃん・・」

「ん?」


「好き」

「知ってるよ」



そう言ってあなたは

いつも通り目尻に皺をつくって笑った

だけどあなたも泣きそうな顔をしていた







「銀ちゃん・・」

「どうした?なんか言われたのか?」

「銀ちゃん」

「ホラ、泣かないで飯だぞ?話はその後でもいいだろ?」

「ぎんちゃん・・」

「ほら、炭水化物。飯食ってないからイライラすんだ。ほれ、銀さんが」



あなたの指先がわかる。

震えているのが




「銀ちゃん、あの時言ったよね」

「ああ。そういえば」

「わたしと銀ちゃんは夜兎と人間ヨ。
夜兎と人間が交われば何が起こるかわからない」

「ああ。うん」

「わたしのここにいる赤ちゃんも・・」

「何言ってんだよ今更。大丈夫だ、何も無かったんだから。心配するな」

「大丈夫ってそれ銀ちゃんが思いたい事でしょ?!最後まで聞いてヨ!」



そう言うと銀ちゃんは何も言わずに私から目を逸らした
銀ちゃん怒ってヨ・・
なんで
いつもなら怒って頭叩いてくれるのに


なんでそんな泣きそうな顔


ごめんね銀ちゃん

私が普通の
かわいい人間の女の子だったら良かったネ



普通に銀ちゃんに恋をして
キスをして
初めて抱かれて愛されることを知って

普通に銀ちゃんの子供が欲しかった




最後まで聞いてと言ったのは自分なのに

涙が邪魔をしてその後は何も言えなくなった




こんなのずるいよね

女ってほんとずるい


でも




「お前はいろんなこと考えすぎ」

「そんな」

「だからって自分の中で動いてるもん掻き出して殺せるのかよ」

「ちがうよ・・そういうことじゃなくて」

「考えすぎだって」





考えすぎだ





そう言ってまた私から背を向けた

逃げるように



これからこの男とやっていけるのだろうか

ていうかなんでこんな人と結婚しちゃったんだろ





「神楽」

「・・」

「まだ泣いてる?ん」




わたしをむりやりお姫様だっこして
銀ちゃんのひざに座らされた

そしていっぱい顔にキスをして
頭を数回優しく撫でた


そしたら一言

「ごめんな」



その一言で私は
何故か わっと泣いてしまった



「俺は約束は破らないだろ。何があっても」





なんか、ドラマのワンシーンみたいアル

いっつもソファで

鼻くそほじくってジャンプ読んでる銀ちゃんが嫌いだった


だって定職についてる訳でもないし

ワタシは贅沢三昧したいのに



だけど銀ちゃん

わたし

あなたに残りの人生あげる






「・・当たり前アル責任とってヨ」

「いまちょっと泣くとこじゃね?」

「銀ちゃんはドラマの見すぎアル。」

「そりゃオメーだろ」





でも好きだからって産んでくれって

それってよくよく考えたら何もドラマチックじゃない

現実問題愛ばかりじゃ育てていけやしない

愛なんて
心もお腹も満たされないアル


でも
そっか

私とあなたは



お互い存在しなきゃ生きていけない












わたしはあなたに生かされてる








07.09.16


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