夏
「これからもずっとずっと」
温暖化は止まらないのかな
そういえば環境問題の特番がやたら多く組まれるようになったのも最近で
確かに年々暑くなっている気がする
いや、気がするだけでよくわからないけど
僕らが多分この世にいるうちは
海面が5m上昇する現状からは逃れられないとか
でもいくら海面が上昇しても
いかだでも作って海の上でも、いやひょっとしたら宇宙にでも移り住んじゃうんじゃないだろうか
この二人は
今年一番の猛暑となった結婚式当日
意外とたくさんの人が集まった
知り合いしか呼ばない質素な式
でもなんか知らない人もいっぱいいる気が
ババアが呼んだのか?だとしたら納得が出来る
俺はあんたの息子じゃないっつーの。
俺はなあ。いつも感謝してるだけだ
「神楽ちゃん、こっち見て?」
生まれて初めて着たドレス
期待と不安でいっぱいになる
実は3日前から緊張をしていた
2日前はあまり眠れなかった
だけど昨日は爆睡
「それ全然緊張してないだろ」と
銀ちゃんはそう言って微笑んだ
一緒に、一緒に選んだ真っ白なドレス
本当は赤でも良かったんだけれど、銀ちゃんが白のが良いって言うからそうした
それから「こんなん着た事ねーから気恥ずかしい」と
目尻に皺を作って
あなたは
「やっぱり・・そうね、白にはこっちの方が良いわ、うん」
外の外気温はとても酷いものだったけれど
ドバイはここよりもっと暑いんだって
こんなんで暑いなんて行ってたら
ドバイの人たちは結婚式おろか、生きてけやしないもんね
「姉貴・・」
「とっても、素敵よ」
「銀ちゃんなんて言うかな」
それは本人に直接聞けばいいじゃない、
そう今頃彼も、あなたと同じことを思っている筈だから
式場はずっと使われていない状態だったらしく
近々取り壊される予定だったらしい
けれど長年物置きに使われていたくせに
まるで西洋の画家の絵のように
計算されたモダンで人肌のように暖かい空間だったから
きっとこの教会も二人を歓迎してるのだろうと思った
白いドレスとベールに包まれて登場した彼女を見て
思わず涙ぐみそうになったのは僕たけじゃないですよねと
笑いながらそう、横を見るともう既に涙しているお父さん
本当に、ハッピーエンドで終わる最終回のような、
ありきたりでわかりやすい教会の結婚式だ
残念ながら今日の牧師は目の青い外人ではないけれど
今日のお前は、言葉にできないほど神々しくて、綺麗だから
「今日から将来にむけて良き時も、悪しき時も、
富める時も、貧しき時も
病める時も、健やかなる時も
生命あるかぎり、あなただけを愛することを 誓いますか?」
「え、あ、はい。」
「あ はいじゃないアル!ドラマみたいに『誓います』ってゆってヨ!」
「誓います」
会場が急に賑やかになる
と、いうか皆安心した表情だ
もうこのクソバカ天パ、最高の日を最低にしてホント最悪マダオ略してSMOネ!
新八なんか今にも弾丸のような突込みを繰り広げてきそうで
パピーなんてもう・・銀ちゃんやっぱオマエ今日死ぬアル
最悪ネ
そうして、私は重なっていた手を強く握りかえした
「神楽ぁ、今誓ってくれたよな」
その一言で会場は一瞬にして静かになる
また何を急に言い出すのだろうこの男は。
もうこれ以上わたしを困らせないでヨ
「え?」
「『生涯いついかなるときも』」
「うん・・でも今なん」
「それはつまり、これから二人で乗り越えてくこと全てに付いてくる言葉って事だろ」
「うん・・」
「神楽ァ。気がつけばお前、いっつも俺の隣に居てくれたな」
どうして
どうして今言うの?
なんで?
なんでそれだけで涙がでちゃうのかな
「なあ神楽、この通りお前と付き合ってから今日を迎えるまで、結局マダオは直らんかった。
仕事も傍から見たらプー同様だし
お前の言うお姫様みたいな暮らしは難しいかもしれん
でも、お前にしか言わないから。
この言葉は一生 お前以外には二度と」
何コイツ
だからこんなくさいセリフ似合うのは玉木ひろしくらいっていつも言ってるアル
ふざけんじゃねーヨ
責任とれヨ
そろそろ涙、止めてヨ
「銀ちゃんのアホぉ、わたしも大好きだよ」
ねえ銀ちゃん
私の人生はあなたをずっと待ってた。
それから時間が幾つも経って
僕たちは写真撮影の準備に入った
姉上は化粧が落ちてないかとか
九兵衛さんに何度も確認していたけれど
僕はまた、思い出した
あの頃万事屋で3人一緒だった日々たちのことを
今は違う。
違うが今は形がある
暑い夏の空に過ぎた思い出をのせて
僕は静かに目を閉じる
「早く来て!遅れるなんて最低。やっぱり離婚よ」
「えええ?!そんなァ」
「まあまあ姉貴、今はこっちも忙しかったんでさァ、ケツの方がな」
「総悟!近藤さんも今まで大変だったんだぞ!色々」
「・・死ねマジ土方」
「後ろ、うるさい奴らじゃのぉ、なあ金時〜」
「金時じゃねーっつってんだろ。そろそろ飽きてきたから殺すぞマジで」
「銀ちゃんチャック開いてるアル」
「え?マジで?大マジ?お前今日に限ってそんな」
「オイコラ俺の実の娘にお前っていい方あるかオイ」
「・・すんません」
ねえ銀ちゃん、
今でもちゃんと部屋に飾ってある?
二人がいつどんなケンカをしてもまた仲直りできるように
見やすい位置に置いた写真
あなたの事だからきっと位置も変わってないだろうな
ピアノのドミソの旋律がいつも変わらず美しいように
「愛してる」
07.11.4
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