そうあの国にも月はあったのだ

だがあるだけで何もない

光り輝くだけとなっても

月はいつまでも未完成の城のまま





そうそれから

愛する人も確かにいたのだ

今も帰りを待ってくれているのだろうか

冷たく輝くお城で






僕は彼女を愛していた

心から


しかし彼女は僕に告げる

わたしにも愛するものがあると

それは何にも代えられない

宝よりも何よりも貴い存在なのだと





ああ

そうなんだね

細い首筋の血管がせつない









それからだ

夢のように悲しくて

夢のように美しい時間が流れ


会えた

お前に








そうかこれが

彼女が残していったもの






周りの景色は前からぼやけていてよく見えない

それがどんな姿か判るかい

だから早く触れたいんだ


さいごまで愛されることを知らなくても

すべてを壊し続ける意味はあると信じているから







さあやっとつかまえた

まったくおまえはあの人に似てちょっと乱暴なんだから

かわいいなあ













あれ?よく見たら




おまえは母さんと同じ目をしているんだね

























悲しいよ

























08.06.06